みなさんこんにちは!前回から約3回にわたり、解離の神経科学的な基盤(解離が起こるとき脳はどう変化するか?)に焦点を当てています。
2回目の今回は、恐怖反応(防衛反応)や情動処理のメカニズムを通して、解離型PTSD、DID(解離性同一性障害)、BPD(境界性パーソナリティ障害)の3つの疾患における解離の相違を具体的に見ていきたいと思います。
そもそも解離とは?という方はこちらからどうぞ!⬇️
防衛カスケードモデル
前々回のこちらの記事では、動物で見られる凍り付き反応が、トラウマを経験しているときに生じる解離のしくみとよく似ていることを紹介しました。
凍り付き反応は防衛反応の一種ですが、こうした防衛反応の活性化、すなわち運動機能や生理状態の急激な変化は、ときに圧倒的で意識的に制御できないものとして経験されます。そしてその圧倒的で制御不能な波は、PTSDや複雑性トラウマ関連疾患、BPDなどで、実際の症状として現れることがあるのです1。
こうした状況を踏まえると、この防衛反応のしくみについて知っておくことは、解離に関連する疾患の症状を特定・区別したり、適切な治療を考えたりするうえでとても重要だということがよくわかります。
そこで今回、最初に詳しく見ていきたいのが、防衛カスケードモデルです。
動物を対象としたさまざまな研究を通して、脅威の程度や捕食者との距離に応じ、異なる防衛反応が連続的に、そして順番に進行することがわかりました。この連続する一連の反応は、防衛カスケードと呼ばれています2。
前々回の記事で紹介した凍り付きモデルでは、
- 捕食者などの危険がせまる
↓ - 定位反応
↓ - 闘争・逃走反応
↓ - 凍り付き反応(持続性不動状態)
という流れでした。しかし今回の防衛カスケードモデルでは、
- 覚醒
↓ - 闘争・逃走
↓ - 凍り付き
↓ - 持続性不動状態
↓ - 虚脱性不動状態
↓ - 静止性不動状態
とさらに細かく、具体的な6つの段階に分けられています。また、人間ではすべての反応がこの順番通り起こるとは限らず、持続性不動状態や虚脱性不動状態から覚醒へ戻ったり、覚醒から直接凍り付きに進んだりと、個人や状況によって流れが変化します3。
そんな、少し複雑に感じられる防衛カスケードモデルですが、今回は、それぞれの段階で具体的にどのようなことが起こるのかを見ていきましょう。
覚醒(arousal)
防衛カスケードの流れを開始し4、次の段階から始まる防衛行動にむけて体の準備を整えます。
具体的には、口が乾いたり、心拍や呼吸が速くなったりします。また筋肉の緊張が高まり、声が高くなったり、姿勢が固定されたりします5。
闘争・逃走(fight or flight)
脅威から能動的に防衛しようとする段階です6。
具体的には、扁桃体と大脳辺縁系が活性化することで四肢の筋肉や喉の筋肉がコントロールされ、動物では唸り声や遠吠えが表出されることもあります7。
人間では、過覚醒症状(怒りの発作)や回避症状(過去のトラウマを思い起こさせるものからの逃避)として見られることがあります。特にトラウマを抱えていたり情動的に不安定だったりする子どもは、日常的なストレッサーやトリガーに対してもこうした反応を示すことがあります8。
凍り付き(freezing)
闘争・逃走反応が一時的に停止される段階です9。哺乳類の肉食動物は動いている物体を検出するようにプログラムされているため、闘争・逃走反応をいったん停止することで、敵に見つかる可能性を減らします10。
具体的には、身体の静止や心拍数の低下などの不動状態と、次の行動への準備を整え身体をこわばらせる筋緊張の高さ、注意力や警戒心の強化が同時に起こります11。人間では、怒った顔などの脅威刺激や予期不安への反応として見られることがあります12。
持続性不動状態(tonic immobility)
逃げることが難しい状態など、能動的な防衛方法では対処できなかった場合に13受動的な防衛方法へ切り替えられる段階です。
具体的には、筋緊張により引き起こされる身体の硬直や麻痺、無感覚、制御不能な震え、寒さなどが見られ、視点が定まらなくなったり、まぶたが閉じたりします。人間では、言葉がとぎれとぎれで支離滅裂になるなど話すことが難しくなるほか、現実感消失や離人感などの解離症状、閉じ込められた感覚、逃れられない感覚、無力感や絶望感などを体験することが多いようです14。
虚脱性不動状態(collapsed immobility)
持続性不動状態の一種で、筋緊張が失われ、意識が遠のき、脳に酸素が十分に行きわたらなくなる状態です15。
持続性不動状態と同じ神経ネットワークによって引き起こされますが、持続性不動状態では蝋のような筋緊張が起こっていたのに対し、虚脱性不動状態では筋緊張の喪失が起こるのが特徴的です16。
意識が遠のいたり完全になくなったりするだけでなく、脳に酸素が十分に行かないことによって抑制的なコントロールが妨げられ、不安、パニック、泣き、うめきなどが現れることもあります17。
静止性不動状態(quiescent immobility)
動物が捕食者による怪我などの急性ストレスを受けたあと安全な環境に戻った際に、回復が必要な疲労状態に対する反応が起こる段階で18、休息と回復を促すための静止状態が起こります19。
人間では過眠や無気力、モチベーションの喪失、ひきこもりなどの形で現れることがあり20、これらが長引くと、慢性疼痛や慢性疲労などの形で不適応的になることがあります21。

ここまでざっと防衛カスケードの6つの段階を紹介してみました。
凍り付きモデルよりもさらに複雑な防衛カスケードモデルでしたが、実際の人間の反応システムはさらに複雑であると考えられています。なぜなら、人間は経験に意味を与えたり、心的に脅威を作り出したりすることがあるからです。そのため、動物モデルにおける「捕食者」や凍り付きモデルにおける「トラウマ的出来事」のような差し迫った外的脅威が無い状態であっても、外的なトリガーが内的なトリガーと一緒になり、こうした身体的防衛システムを発動させる可能性があります22。
例えば持続性不動状態が起こる状況として、人間では様々な場面や要素が想定できます。基本的な状況である「逃げるのも戦うのも難しいとき」だけでなく、それまでの段階をすべて飛ばし、トラウマに対する最初の反応として起こる場合もありますし、以前のトラウマ体験の有無やその他の個人差などが影響することもあります23。持続性不動状態は特に性的暴行で報告例が多く、そのほかにも戦闘体験、車や飛行機など乗り物の事故、身体的暴行、野生動物との遭遇などで起こることが知られていますが24、筋緊張や麻痺、解離症状などの全てがそうした深刻なトラウマ体験中に起こるというわけではないということですね25。
防衛カスケードの各段階の記述を見て、具体的な疾患の症状との類似点を見つけた方も多くいるかもしれません。こうした一つ一つの防衛反応、そして疾患における症状は、恐怖や情動の処理に深く関わっています。ここからは、恐怖反応や情動処理の神経科学的な基盤を通して、解離型PTSDやDID、そしてBPDのそれぞれの解離にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
恐怖反応と情動処理
防衛カスケードモデルの闘争・逃走段階では、扁桃体が活性化することにより、能動的な防衛(具体的には過覚醒や回避など)が引き起こされました。
この扁桃体とそれに連動する島の動きは、解離における恐怖反応や情動処理と深くかかわっています。
具体的な疾患での動きを見ながら、詳しく確認してみましょう。
「切り離された」感覚
離人感をはじめとする、情動的に麻痺した感覚や思考が真っ白になった感覚、無痛覚、過覚醒などの主観的な「切り離された」感覚では、
- mPFC、dorsolateral PFC、ACCで活動が増加
- 扁桃体で活動が減少
することがわかっています26。
PFCの活動増加は(直接的またはACCを介して間接的に)扁桃体の活動を抑制し、「情動システムのシャットダウン」を起こすことが示唆されています27。
というのも、ACCが注意や認知制御、覚醒調整に関連する部位28であるのに対し、扁桃体は顕著性(ある刺激がほかの刺激や普段の状況と比べて目立つかどうか)の特定や情動処理に関連し、ストレスや恐怖反応の発動を担っている29ため、この扁桃体の活動が抑制されると自律神経系の覚醒が抑制され30、結果として「切り離された」感覚が体験されやすくなるのです31。
解離型PTSD
それでは離人感や現実感消失など、「切り離された」感覚を慢性的に感じる解離型PTSDではどうでしょうか。
トラウマの想起やその他のストレス要因に対する情動処理として、次の2つのタイプが提唱されています32。
- 情動の過剰抑制タイプ(Emotion over-modulation)
「切り離された」感覚を感じる解離型PTSDの患者に典型的なタイプ。dorsal ACC、rostral ACC、mPFCが活性化し、扁桃体と島が抑制される33。 - 情動の抑制不全タイプ(Emotion under-modulation)
再体験をしやすく、強い恥・罪の感情や、情動抑制の困難があるタイプ。過剰抑制タイプとは反対に、ACCとmPFCの活動が低下し、扁桃体と島が過活性化する34。
こちらでも同じく、「切り離された」感覚を感じやすい情動の過剰抑制タイプでは、扁桃体の活動が抑制されています。それだけでなく、これに伴い注意や内受容(心拍や痛みなどの内的な身体信号を感じたり解釈したりする能力)に関わる35島の活動も抑制されていますね。
一方、恥や罪の感情を強く感じやすく、情動抑制に困難があり、再体験をしやすい抑制不全タイプでは、扁桃体と島が過活性化しています。
この2つのタイプはメカニズム的にも表出する症状的にも真反対に思えますが、トラウマを抱えた人では、こうした2つの状態をシームレスに行き来することも珍しくなく、それにより複雑な症状のパターンを示す傾向にあることが指摘されています36。
DID(解離性同一性障害)
DIDでは、この一見相反する、情動の過剰抑制と抑制不全の2つの反応が、それぞれの人格に割り振られていることが特徴的です。人格の状態をトラウマの想起に関して以下の2つに分類すると、
- 過覚醒のトラウマアイデンティティ状態
トラウマ記憶への自発的なアクセスが可能な人格状態。心拍数や血圧の上昇や、扁桃体と島の活性化が見られる37。 - 通常の解離性アイデンティティ状態
解離性健忘を伴う人格状態。心拍数や血圧の低下や、扁桃体や島の動きの抑制が見られる38。
ことがわかっています。
解離型PTSDに典型的な情動の過剰抑制と同じメカニズム(扁桃体や島の動きの抑制)が通常の解離性アイデンティティ状態で、そして再体験や恥・罪の強い感情などを経験しやすい情動の抑制不全と同じメカニズム(扁桃体と島の活性化)が過覚醒のトラウマアイデンティティ状態で、それぞれ起きているということですね。
少し話がごちゃごちゃしてきてしまいましたが、簡単にまとめると、いわゆる解離として一番に想像するような「切り離された」感覚には、扁桃体や島の動きの抑制が関与しているということでした。
BPD(境界性パーソナリティ障害)
解離型PTSDやDIDは解離症状が前景に表れやすい疾患として広く知られていますが、実はBPD(境界性パーソナリティ障害)でも75-80%の患者が解離症状を経験することがわかっています。この解離症状は特にストレスに関連して起こることが多く、覚醒・ストレスレベルが上がれば上がるほど、症状の強さや頻度も増すことがわかっています39。
それでは、こうしたストレス性の解離症状はどのようにして起こるのでしょうか?
数多くの研究で、BPDでは
- mPFCの活動の減少
- 扁桃体と島の過活動
が見られることがわかっています40。扁桃体や島の過活動は、いわゆる「切り離された」感覚の反対で、再体験や恥・罪の感情、情動の抑制不全、心拍数や血圧の上昇などに関連していました。防衛カスケードモデルでは闘争・逃走段階で起きていた反応です。BPDにおける情動調節の困難さは、この扁桃体や島の過活動が引き起こしている可能性が示唆されています41。
BPDにおける情動調節の困難さとは、具体的には情動刺激に対する敏感さの増大や強い情動、急激な気分の変動、機能的な情動調整の困難さなどの症状としてあらわれ、目標指向型の行動を難しくするなど日常生活に大きな影響を与えるものです42。
BPDに特徴的なストレス関連の解離症状は、こうした情動調節の困難さへの対処の一形態として起きている可能性が指摘されています43。
まとめ(それぞれの疾患における解離の違い)
- 解離型PTSD
扁桃体と島が抑制され、「切り離された」感覚を感じやすくなることで解離症状が起こる。時には情動の抑制不全状態と「切り離された」感覚を行き来することもある。 - DID
人格によって、扁桃体や島の動きが異なる。解離性健忘を伴う人格状態では、扁桃体と島の抑制が見られる。 - BPD
基本的に扁桃体や島の過活動が起こりやすく、それによって情動調節の困難さがあらわれることがある。それに対処するための方法の一つとして、ストレス関連性の解離症状が現れる可能性が指摘されている。




おわりに
今回は、防衛カスケードモデルを通して、防衛反応はどのような段階に分けることができ、それぞれどのように起こるのか、そして解離関連疾患における解離の現れ方はどのように異なるのかを見てきました。
神経科学的な基盤というタイトルにしたものの、前半は生理学的な話が中心になってしまいました(すみません🙇)。
とはいえ、解離をはじめとしたトラウマ反応を防衛反応(恐怖反応)や情動処理の観点からとらえ直すことで、時に不可解でどう言語化すればいいかわからないような症状についても、解像度がぐんと高まったように思えます。皆さんのお役にも立てていたら嬉しいです。
次回は、記憶の処理や反芻について見ていく予定です。
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本記事の参考文献・サイト
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- Kozlowska, K., et al. (2015) p.267 ↩︎
- Kozlowska, K., et al. (2015) pp.272-273 ↩︎
- Kozlowska, K., et al. (2015) p.273 ↩︎
- Kozlowska, K., et al. (2015) p.273 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.3 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.3 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.3 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.3 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2021) p.4 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.3 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.4 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.4 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.4 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.5 ↩︎
- Kozlowska, K., et al. (2015) p.273 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.5 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.5 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.6 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.6 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.6 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.6 ↩︎
- Krause-Utz, A., et al. (2017) p.6 ↩︎

